2013/02/23

Windows XP  パーテーションサイズの変更

Gparted でパーテーションサイズを変更できない


この間手に入れた Amilo M 1425 に Xubuntu 12.10 をインストールして、デュアルブートしようとした。

いつものように Xubuntu の Alternative を使ってインストールしようとしたら、パーテーションサイズの変更でつまってしまった。デュアルブートにする選択肢が現れないのだ。しかたがなく手動でパーテーションを切ろうとしたら、なんと10MBまでしか空き容量を確保できない。しかし、Windows XPがインストールされているパーテーションには40GB以上の空き容量があるはずだ。

そこで Xubuntu 12.10 の Live-CD を使って最初に GParted でパーテーションさイズを変更しようとしたが、これでも出来なかった。やはり Alternative を使ったときと同様に10MBまでしか空き容量を確保できない。 


Windows からパーテーションサイズを変更する


GParted でパーテーションサイズを変更出来ないなら、それに変わるソフトウェアを探さなくてはならない。Windows XP では”ディスクの管理”からパーテーションのサイズを変更出来る。しかし、Windows XP 自身がインストールされているパーテーションサイズの変更は出来ないのだ。

5、6年前、まだ Windows XP をメインで使っていた頃、パーテーションサイズを変更するソフトウェアを探した時にはそのほとんどが有料でフリーウェアではいいものが見あたらなかった。

しかし、今はフリーで使用できるいいソフトウェア "EASEUS Partition Master" があった。これは有料のソフトウェアだが、個人での使用に限り無料で配布されている。ただし、無料版ではサポートを利用出来ない。このソフトウェアを使ってパーテーションサイズを変更することにした。


EaseUS Partition Master について


EaseUS Partition Master とは様々なパーテーションを操作したり、ディスク管理をするソフトウェアだ。即ち、パーテーションの拡張(特にOSがインストールされているパーテーションの拡張)したり、ディスクの管理をしやすくしたり、ディスク容量不足の問題を解決できる。詳しくは EaseUS Partition Master Freeに関する簡単なご紹介 に書かれている。


入手(ダウンロード)

 Partition Manager Free 11.9 より Partition Master Free をクリックする。 


インストール
 
 ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックする。後は画面の指示にしたがっていく。(大抵は”はい”をクリックでいい)


使い方

パーテーションサイズの変更

 1. EaseUS Partition Master を起動する。
 2. 起動後、以下の3つの選択肢が現われたら、Partition Manager を選択する。

    - Partition Manager
    - Disk & Partition Copy Wizard
    - Partition Recovery Wizard


 3. ディスクの構成が出てくる。ここからはマウスを使って直感的に操作できる。詳しくは
    - EaseUS Partition Master Freeに関する簡単なご紹介
    - Resize/Move partition (en)
     に書かれている。また、YouTube
   では使い方を見ることが出来る。
 
 4. 最後に”適用”(または”apply”)をクリックすることを忘れずに!
    ”適用”をクリックすると、ファイルシステムが

    - NTFS の場合はすぐに変更が始まる。
    - FAT32 の場合は再起動する必要がある。

参考


EaseUS 公式ホームページ

Partition Manager Free 11.9


Ubuntu  フリーズした Ubuntu から安全に再起動する方法

フリーズ

PC を使っている人は PC がフリーズ(PC がキーボードやマウスからの入力に応答しなくなること)した経験があるだろう。そして、大抵の場合は強制終了して再起動したと思う。


しかし、これをするとメモリーに保存されているデータは全て消えてしまうので、、作りかけのファイルはなくなってしまうし、使っていたソフトウェアの状態も保存されずに使う前の状態に戻ってしまう。また、場合によっては重要なファイルが破損してシステム(OS)に影響を与えることもある。

Linux系の場合にはフリーズした状態から可能な限りHDDにダメージを与えたり、データをなくすことなく、PCを終了したり、再起動する方法がある。それは SysRq Key だ。SysRq を実行するには "alt" と "Print Screen" を同時に押す。 Ubuntu の場合は以下のキー操作で終了させる。(他の Linux でもほぼ同様) 


フリーズした Ubuntu の終了
    "alt" + "Print Screen" + R + S + E + I + U + O
 
    "alt" と "Print Screen" を常に押した状態で R → S → E → I → U → O と順番に押していく。この時正しく実行されるようにそれぞれのキーを長め(1、2秒)に押すとよい。                              

フリーズした Ubuntu の再起動

終了の場合とほとんど同じ。最後のキーのみ異なる。

    "alt" + "Print Screen" + R + S + E + I + U +B
 
    "alt" と "Print Screen" を常に押した状態で R → S → E → I → U → B と順番に押していく。この時正しく実行されるようにそれぞれのキーを長め(1、2秒)に押すとよい。          


それぞれのキーの意味

 R  X Windows からキーボードの制御を取り戻す
 S  書き込みキャッシュのデータをディスクに書き込む
 E  すべてのプロセスにSIGTERMシグナルを送り、正常に終了させる
 I  すべてのプロセスにSIGKILLシグナルを送り、強制的に終了させる
 U  すべてのファイルシステムを読み込み専用で再マウントする
 O  システムを終了する
 B  システムを再起動する


SysRq Key の限界
 
SysRq Key はソフトウェアが原因でフリーズした時には有効だが、Linuxカーネル自身がカーネルパニックを起こしていたり、フリーズしている場合は利用出来ない。


参考

 1. UbuntuTips/Others/MagicSysRq




2013/02/22

Ubuntu  Maxima 分母の有理化を行うときの注意

無理数 \(\frac{\sqrt{b}} { \sqrt{d}} \) の有理化について

無理数 \(\frac{\sqrt{b}} { \sqrt{d}} \) を有理化すると、 \(\frac{\sqrt{bd}} {d} \) となる。しかし、rat() を使っても



となって、分子の無理数が計算されない。ここで rootscontract() を使って分子の根号の積を計算しようとしても



となって有理化する前の式に戻ってしまう。しかし、下の場合は



と、分子の根号計算をしてくれる。


根号は指数に変換して処理

これは Maxima内部では sqrt(a) つまり \( \sqrt{a}\) は \(a^{\frac{1}{2}}\) と表現しているからだ。したがって\[ \frac{\sqrt{2} \times \sqrt{3}}{3} \]は\[ 2^{\frac{1}{2}} \times 3^{\frac{1}{2}} \times 3^{-1} \] と解釈されて \[ 2^{\frac{1}{2}} \times 3^{- \frac{1}{2}}\] と計算して \[ \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}} \] と出力される。


\( \frac{\sqrt{ab}}{b}\) と出力する方法 

この様な意図しない結果が現れるのは有理化後に分子が全て無理数を含むの積で表されているときだけ起こり、以下のような例では


と有理化して分子を計算してくれる。つまり、 \( \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}\) を有理化するときだけ起こると考えてよい。そこで以下のような関数を定義した。
  \[ ratio(x,y) :=  \frac{rat(\frac{x}{y}) y^2}{y^2}\]
ただし、\( y=\sqrt{m}   (m>0)\)
これで正しく計算される。

参考

 1. Maxima (虎の備忘録)



 3. Maxima Manual(de)

 4. Maxima 5.29.1 Manual

 5. Maxima (eBook en)

2013/02/19

Ubuntu  Maxima で根号を含む無理数、複素数の計算

根号を含む無理数や、複素数

 Maxima で自然数や整数、有理数の四則演算をするには、数学と同じように入力して計算すればいい。無理数や複素数についても加法と減法なら同様に計算出来る。(参考:1)
しかし、根号を含む無理数や、複素数の乗法、除法については数学と同じように入力しても計算してくれない。この場合は以下のように計算する。

乗法

複素数の乗法

虚数の乗法 \(bi \times di\) は数学と同じように計算できる。(実数部が共に0の場合)







それ以外の複素数 \((a + bi) \times (c + di) \) の場合には expand(式) を使って多項式の展開のように計算する。






根号を含む無理数の乗法

\(\sqrt{b} \times \sqrt{d} \) の場合には rootscontract(式) を使う。 






\((a + \sqrt{b}) \times (c + \sqrt{d}) \) の場合には rootscontract(expand(式)) とする。

 





除法(分母の有理化)

数学と同じように入力しても計算してくれるが、分母の有理化がなされない。分母を有理化するには rat(式) を使い、オプション変数 algebraic の値を true にしておく。 (分母を有理化するには2つのオプション変数 algebraic と ratalgdenom の値を true にしておく必要がある。しかし、 ratalgdenom の初期値は true なので、通常は algebraic:true; と指定するだけでよい。 algebraicの初期値は false である。)

複素数の除法

分母が虚数の場合はそのまま入力しても有理化される。しかし、その他の場合は上記のとおりに計算する。


根号を含む無理数の除法









































参考

1~2   Maxima について
3~5   Maxima を一通り学べる。
6~8  Maxima の詳しい説明
9~11 マニュアル、eBook

 1. Maxima (虎の備忘録)
 2. Maxima で遊ぼう
 3. Maxima による数式処理
 4. Maxima(de)
 5. Maxima Overview

 7. Professional Maxima






2013/02/01

Ubuntu  Maxima

Maxima とは

Maxima とは数式処理をするソフトウェアである。これは電卓で行う計算(数値計算)だけでなく、記号を含んだ式も扱える。また、 Maxima は無料で配布されている。
Maxima が扱える範囲は
 多項式の計算、方程式、関数、微分積分、行列、行列式、微分方程式…
などと、非常に広く、その能力は商用の数式処理ソフトウェアである Mathematica や Maple に匹敵する。大学初年級までの数学(線形代数、解析学)なら十分使える。


Maxima と imaxima, xmaxima, wxmaxima

Maximaは端末から起動するコマンドラインプログラムである。これをベースにして

 Emacs用のパッケージにしたものが imaxima
 x-Windows上で操作できるようにしたのが xmaxima
 GUIで操作できるようにしたのが wxMaxima

である。既に Tex と Emacs をインストールしてある場合には imaxima を使うメリットがある。 Tex のフォントを使って綺麗に出力できる。 xmaxima は入力画面の下に出てくる Maxima Primer は参考になるし、画面右上の Help をクリックすると、ヘルプブラウザとして使える。 wxMaximaなら Windows版、Mac版があるので、どのOSを使っていても同じように操作できる。


インストール

Ubuntu の場合は

 パッケージマネージャや端末、ソフトウェアセンターなどから
  wxmaxima
 をインストールする。 (Maxima, xmaxima も同様) 

 imaxima のインストールについては Download and Install を参照。

その他の OS の場合

 maxima, xmaxima については http://maxima.sourceforge.net/download.html を参照。 
 wxMaxima については http://andrejv.github.com/wxmaxima/ を参照。

 imaxima のインストールについては Download and Install を参照。

使い方

 起動と終了
  Maxima      端末より maxima で起動、 quit(); で終了。
  maxxima と wxmaxima
   他のGUIを使うソフトウェアと同様にアイコンクリックで起動、左上の×をクリックして終了。   
  imaxima     端末より emacs -e imaxima で起動、quit(); で終了。(C-x C-c で Emacs 終了)

 演算の実行
  数式を入力 + セミコロン; + Enterキーを押す。即ち、
   数式; 
   と書いてEnterキーをおす
  また、 /* 式や文 */ とかくと /* と */ にはさまれた 式や文 はコメントとみなされて実行されない。


 演算
  四則演算 +-*/                         
  累乗   ^ または **        
  階乗   !               

  演算の優先順位は数学のそれと同じ。

 例1

 よく使われる定数 
  円周率   %pi
  自然対数  %e
  虚数単位  %i
  無限大   inf

 よく使われる関数
  平方根   sqrt(多項式や値)
  指数関数  exp(多項式や値)
  自然対数  log(多項式や値)
  三角関数  sin(多項式や値)
        cos(多項式や値) 
        tan(多項式や値)
  絶対値   abs(多項式や値)

 小数近似   float(値)

 例2



  根号を含む無理数や複素数の乗法、除法については次回に説明する。

 代入
  変数に式や値を代入
   変数:(多項式や値)         
  代入した式や値を消去
   kill(多項式や値)

 関数の定義  関数名(変数):=多項式       

 例3 

 

多項式 
  展開    expand(多項式)
  因数分解  factor(多項式)

  多項式の加法、減法、除法については回を改めてせつめいする。

  数列の和  nusum(一般項、変数、変数の最初の値、変数の最後の値)
  数列の積  product(一般項、変数、変数の最初の値、変数の最後の値)

 例4













 方程式
  方程式   solve(方程式、変数)
  連立方程式 solve([方程式1、方程式2、…],[変数1、変数2、…])

 例5


 微分積分 
  極限値   limit(関数、変数、近づける値)
  微分    diff(関数、変数、階級)
  不定積分  integrate(関数、変数)
  定積分   integrate(関数、変数、下端、上端)

 例6


参考

1~5   Maxima について
6~8   Maxima を一通り学べる。
9~11  Maxima の詳しい説明
12~14 マニュアル、eBook

 1. http://ja.wikipedia.org/wiki/Maxima

 3. wxMaxima

 5. Maxima で遊ぼう

 6. Maxima による数式処理

 7. Maxima(de)

 8. Maxima Overview


 10. Professional Maxima